IgA腎症とは

原因と治療法

IgA腎症の原因

IgA腎症になる原因は、なってしまった患者さんにとっては一番知りたい事かもしれません。しかし、原因は、今も不明です。

前述の通り、なんらかの原因により、免疫に関係のある「IgA」と言うたんぱく質が血中に異常に多くなり、糸球体にダメージを与えてしまう、と言う段階まではわかっているのですが、「何故『IgA』が多くなるのか」と言う部分に関しては、学会で色々議論はされているものの、統一された意見がないというのが現状です。

原因が解れば予防もできるので、医学の進歩を待ちたいところです。

IgA腎症の治療法

IgA腎症の治療法は、慢性腎炎の治療法に準じます。主なものは、「薬物療法」「食事療法」「運動制限」の3つです。

1. 薬物療法

腎臓に負担をかけない為にも、血圧のコントロールが重要です。血圧が高いと、「糸球体」という「ふるい」にかける圧力が高くなってしまうので、その網目に負担をかけてしまいますなので、血圧を低く保つように、血圧を下げる薬が必要です。

その他に、尿蛋白が多い「ネフローゼ症候群」を併発している場合は、「副腎皮質ステロイドホルモン剤」を使用して、尿蛋白を減らす治療をすることが多いです。この薬剤は、強力な効果が見込まれますが、その分副作用も多いです。

顔が丸くなったり、にきびが出たり、胃潰瘍、様々な感染症になりやすくなる、と言った副作用がありますので、安易に使用するべきではなく、医師としっかり話し合いをして、納得した上で治療に承諾する必要があります。

2. 食事療法

食事療法で必要なのが、「低タンパク」「塩分制限」「高カロリー」です。まずは、「低タンパク」の説明からいたします。

IgA腎症は、IgAが無理矢理糸球体という網目に押し込まれる事によって、その網目が傷んでいる状態です。その状態で、血液中にたんぱく質がいっぱいになったら、糸球体の網目にグリグリ押し込まれ、網目の中に入っていってしまい、尿中にたんぱくが出ます。

それと同時に、傷んでいる糸球体の網目が、余計傷んでしまいます。それを繰り返していくと、網目がスカスカになり、ろ過が全くできなくなります。それを防ぐ為にも、食事のたんぱく質は減らす必要があります。

1日に摂るたんぱく質の量の目安は、病期の進行度にもよりますが、0.6~0.7(g)×標準体重です。

標準体重(〔身長(m)の2乗〕×22)が60キロの方なら、60(kg)×0.6~0.7(g)=36~42(g)となります。ちなみに、たんぱく質がたくさん入っている食物は、肉・魚・卵・乳製品などです。

次は「塩分制限」です。

塩分を多く取ってしまうと、喉が渇いて渇いて仕方なくなり、多くの水分を摂ってしまいます。水分を多く取ってしまうと、血液量も多くなってしまいますし、血圧も高くなります。そうすると腎臓にも負担がかかってしまうので、塩分制限は大切です。

最後は「高カロリー」です。

ブクブクに太ってしまうほどのカロリーは必要ないのですが、腎臓をはじめ、全ての臓器は、正常に動く為に多くのエネルギーを必要とします。その必要なエネルギーすら摂っていないと、色々な臓器の動きが悪くなってしまいます。

特に腎臓の場合は、常に一定の働きを保っていなければならず、カロリー不足で正常に動かない状態が続くと、元の機能まで回復しなくなってしまう臓器なのです。ですから、腎臓を正常に動かし続ける為には、「ある程度の高カロリーな食事を維持し続ける」事を意識しないとダメです。ダイエットなどで、朝食を抜く、などはもっての他です。

また、夏バテなどによる食欲不振などにも気を配り、食べたくなくても、ヨーグルトなど、口当たりがよいものや、バナナなど、少量でもカロリーの高いものを頑張って食べましょう。

3. 運動制限

健康を維持する為のウォーキング程度なら問題ないのですが、体育館に行って、バスケットやサッカーなど、勝負を競うような激しい運動は、なるべく避けるべきです。

運動すると、血圧が上がり、脈も速くなる為、全身の血流量が多くなります。血圧が上がったり、血流量が多くなると、糸球体にかかるろ過の圧力が上がり、全体のろ過量も多くなります。そうすると、糸球体に負担がかかり、網目ももろくなってきます。

また、運動すると汗をかき、一時的に脱水症状になります。この時に、すぐに水分補給をしないと、血が濃くなり、腎臓に負担がかかるので、運動をする際には、必ず水分補給を忘れないようにしましょう。

IgA腎症について